ディズニー + ピクサー最新作 「リメンバー・ミー」を観てきました。
主人公は、ミュージシャンを夢見る、ギターの天才少年ミゲル。しかし、厳格な《家族の掟》によって、ギターを弾くどころか音楽を聴くことすら禁じられていた…。ある日、ミゲルは古い家族写真をきっかけに、自分のひいひいおじいちゃんが伝説のミュージシャン、デラクルスではないかと推測。彼のお墓に忍び込み美しいギターを手にした、その瞬間──先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった!
公式サイトより抜粋
私は4年前に母を亡くし、先日叔母も亡くしました。
以来ここ数年はずっと「死者の国」「亡くなった人々はどうしているのか」を考えることが多くなっていました。
そんなときに目にしたこの映画のフレーズ。
「たとえ離れても、忘れない。それは家族のつながり。」
これを見てしまったら、もういてもたっても居られませんでした。
前売り券を買ったのは、ほんとうにもう久しぶりのことです。
この作品は、何が私の心を変えて、何を気づかせてくれるのでしょうか。
チケットを握りしめ(実際にはスマホがチケット代わりですが)
土曜の午後3時の回にて鑑賞。
満席の場内は9割越えファミリー。
ちびっこ、ママ、おばあちゃんという組み合わせが多かったかな。
みんな騒ぐことなくおりこうさんでした。
作品がはじまると、イントロは、まぶしいまでのメキシコの青い空と、死者の日に町中に飾られる「パペル・ピカド」という、カラフルな切り絵の紙が風にはためきます。
ミゲルの家に飾られた祭壇のあふれんばかりのオレンジ色、これはマリーゴールドの花びらで、ご先祖様たちがこの世に戻って来る際に、迷子にならないようにと敷き詰められるそうです。このオレンジ色が作品にとても活力を与えてくれます。
一方ミゲルが入り込んでしまった「死者の国」
画面の色調がすばらしく私好み!!好き好き大好き!!
暗く抑えた闇に浮かび上がる街並みは、ステンドグラスのような青、ピンク、紫で、構成され、ほっとしつつも幻想的で温かみを感じます。
私は上記3色の組み合わせはもっとも好きで、(ろうそくのあかりや、水族館のクラゲの展示の雰囲気なんかも大好き)この雰囲気に浸るのもひとつの楽しみでした。
また劇中の建物の窓にもステンドグラスがあり、とてもメキシコらしい素朴なかわいいデザインでした。
パンフレットによると、死者の国の街並みのデザインは「水に囲まれたアステカの都市テノティトランに注目し、マヤ文明やアステカの神殿ピラミッド、スペイン植民地時代の大聖堂、ビクトリア調の建物からヒントを得ている」そうです。
やっぱり大聖堂も関係していたんだなぁ。。。メキシコ、行ってみたくなってきた。
とにかく死者の国が色彩豊かで陽気で楽しそうで、飲んで食べて歌って踊って笑ってと、それがまず救われた気分になりました。
母や叔母、祖父・祖母ご先祖様たちが、暗く辛い思いをしていないかが心配で。
まあ、仏教の世界ではあちらに行っても修行は続くそうですので、そこは少々切ないところですが、それでも少し気分が明るくなりました。
音楽に関しては劇中にときどき歌声が入るプチ・ミュージカルのようです。
でも音楽がサブテーマの作品なので、劇中歌はとても自然な流れで入ってきます。
なにより主人公ミゲルがびっくりするくらい歌がうまい!!
まだ12歳(声を担当した石橋陽彩くんは13歳)なのに、伸びがあって声量があって、
がっつり私のハートをつかんでしまった歌声です。サントラ買っちゃうかも。
おまけにミゲルがとーっても可愛くて、がんばれ!がんばれ!もう母心で観てしまいました。
ストーリー自体は、ハラハラあり、せつなさあり、どんでん返しありでなかなか魅せてくれます。
なにより後半、登場人物それぞれの「胸の奥に抱えた思い」がどんどん現れてきて、もう泣けて泣けて泣けて。
言いたかったこと、伝えられずに離れてしまったこと、誤解したまま生きていたこと、だれしもひとつやふたつ心に負った傷が、すこし痛むようなシーンが続きます。
私も母に伝えられなかったことがたくさんあるし、母の気持ちもわからないまま離れてしまった。
母もまだまだ私に話しておきたいことがたくさんあっただろう。
もう体温を感じながら思いを伝え合うことはできなくなってしまった。
それがいまでも後悔。
だからこそいま心の底から思います。
「ともに過ごした思い出を大切に」「魂の存在を身近に感じる」こと。
そして
「伝えたい思いがあるなら、言葉と行動にして伝えること」
今日18日は彼岸の入りです。
母のお墓まいりに行ってきます。