「五島列島に行きたい」
そう思ったきっかけは、この1枚のパンフレットでした。
どこかの書店でレジに並んでいるときにカウンターにパラパラと置かれていたものです。
初めて見る教会。
でも、ふわりとした既視感。目が離せませんでした。
「・・・どこかで?・・行ったことないけど、なんか知ってる・・・・・・・・・・・・・・」
──店員さんに声を掛けられ現実に引き戻される。
支払いを終えてカウンターを離れて数歩。
それでもあの教会が気になって、引き返して一枚つまみあげる。
それからずっと、わたしの部屋のどこかには飾ってあります。いまでも。
2009年に他界した建築写真家・三沢博昭氏の遺作写真展。
残念ながらこの展覧会に行くことはできなかったけど、わたしの中でぼんやりと漂っていた
「長崎西海・五島」という場所を強く意識させられた出来事でした。
「行ってみたい。この目で見たい。」
この教会が「頭ヶ島天主堂という名前で五島列島にある」と知った私は、
以来五島列島に関する情報をポツポツと集め始めました。
五島列島の情報は今でこそ『長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産』と脚光を浴びて、インターネットや書店でその名を見聞きすることも多いですが、当時はかなり情報が少なく、彼の地にたどり着く方法もわからず、図書館で調べ、色々な関連団体に問い合わせ、自分なりに関連付けて整理しなければならないような状況でした。
すでにステンドグラス制作をスタートし、教会のステンドグラスを求め長崎の街を訪れるようになっていましたが、しかし長崎から足を伸ばし五島へ行くには時間がなく、後ろ髪を引かれる思いで帰京しなければなりませんでした。
「必ず その時が 来るはずだ。」
そう思いつつ日々の生活に追われいた私の背中を押したのが、
「長崎教会群が世界遺産候補に!」というニュースでした。
「こ、これは行かねば!(世界遺産になったら人がどっと押し寄せる!)」
スケジュールを見直し調整をして、2016年9月23日に決行することになりました。
その巡礼記をこれからご紹介したいと思います(不定期更新だけど)。
つづく