井持浦教会のステンドを拝んだところで、次は玉之浦教会へまた原付を走らせます。
ずっと海岸線を走っていたので、気持ちはよかったですが意外に距離があって焦りました。「日が落ちるまでに宿に戻りたい」と思っていたからです。
玉之浦教会はこじんまりとして可愛らしい教会です。プロテスタントの教会かと見間違えるほどです。
ここで大変な失敗が!!
教会に誰もおらず、かつ鍵がかかっていました。
多くの教会はいつでも開放されていて、自由に出入りができるのですが、ここは違ったようです。パンフレットに載っている連絡先に電話をしてみても繋がらず。
せっかく福江島を横断してきたのに、スタンプも押せずステンド巡礼もできないなんて。。。
途方にくれて目の前の堤防に腰をかける。レンタカー屋のおかあさんにもらった缶コーヒーを飲みながら、しばらく玉之浦の漁港をぼんやりと眺める。
教会前を通りかかる近所のご婦人に、教会のことを訪ねてみると「いつもおやすみのときは閉まってますよ。今日は祝日だし。平日なら空いてるんですよ」と。
あちゃー。やってもうたか。
これは待っていてもラチがあかないので、スタンプは諦めることにした。(でもこうして画像は取ったので、何かの役にはたつかもしれない。)
玉之浦教会紹介ページ(長崎県五島市運営)
http://www.city.goto.nagasaki.jp/sekaiisan/goto_churches/tamanoura/index.html
途中に弘法大師ゆかりの大宝寺の看板が。
今回は寄れないので南無大師遍照金剛。。。
後ろ髪をひかれつつ、大瀬崎灯台の展望台に行く。
ここは素晴らしい景観でした。深津絵里さんと妻夫木聡さん主演の映画「悪人」の舞台にもなったそうです。
初日の3つの目的地を一応クリアした私は、それでも玉之浦教会のことが頭から離れませんでした。
「はあ・・・おそらく玉之浦教会にまた来るチャンスは、今回はないだろうな、スタンプ・・・」などと後悔の念につつまれながら、来た道とは違う林道を通って帰ることにしました。
これがどエライことになってしまった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
帰路は緑のコース。これが実に森深ぁーーーい峠道。途中で日が暮れあたりは真っ暗になって原付のライトのみ、雨もポツポツ降り始め車もほとんど通らない。単独行動に慣れた私も、さすがに心細かった。泣きそうだったけど、泣いていてもどうにもならない。もう引き返せる距離でもないのでとにかく走り抜く!!!
時速30キロ程度しか出ない原付を、この時ほど恨めしく思ったことはなかったな。
長時間Tシャツで走行していたので体は冷え、ブレーキを握る手は痺れるという罰ゲームのような状態に「こ、これぞ巡礼か・・・」と天を仰ぐ。
途中の地名「富江」をゴールの「福江」と見間違い、万歳したのちに、まだ全然距離があることがわかって落ち込む始末。・・・ああ、助けて。愛する人の顔が浮かぶ。
それでも歯を食いしばって40分以上駆け抜け、ようやく「福江」の文字が見えたときには、思わず原付を路肩に止めて、全身で大きく息を吐いた。戻って来れたよ。
原付を返却しにレンタカー屋に行って、おかあさんの顔を見たら、本当に腰が抜けてソファにへたり込んでしまった。おかあさんはそんな私の様子を見て「あの道は昼間でも勧めんけん、遠かったじやろ?」と眉を八の字にして心配してくれた。(このおかあさん、とーても可愛らしいのよ♥方言がまた愛くるしい♥)・・・この道は行くな、そういえば出発前にそんなことを聞いたような。。。。。。
いずれにせよ、無事に到着できてよかった。何より原付が壊れなくてよかった!!!
疲労からまったくお腹が空かず、美味しい物を食べに行こうと下調べをしたのに、シャワーを浴びてそのまま寝てしまった。ああ、残念!
初日はそうして更けてゆきました。
つづく