教会ステンドグラス巡礼の旅。
第2回目は江東区潮見にある「カトリック潮見教会」です。
別名「蟻の町マリア」
第二次世界大戦後、職もなく、住む家もない人々が隅田川の言問橋の近くに集まって、「蟻の会」という共同体を作り、廃品回収で生計を立てていました。コンベンツァル聖フランシスコ会のゼノ・ゼブロスキー修道士は、「蟻の町」と呼ばれたその地をたびたび訪問していました。
大学教授の娘で、恵まれた家庭に育った北原怜子(さとこ)というカトリック女性はゼノ修道士から蟻の町の話を聞き、そこに出かけるようになり、献身的に蟻の町の子どもたちの世話をしました。怜子は次第に持てる者が持たない者を助けるという姿勢に疑問を抱くようになり、自ら「バタ屋」となって廃品回収を行うようになりました。怜子はいつしか結核を患い、静養のために蟻の町を去りました。
一時蟻の町を離れて、病気療養をしていた怜子は病状が悪化し、これ以上治療方法がないと分かったとき、蟻の町に戻ることを希望しました。十字架が立った建物に近い小部屋に住み、蟻の町のためにひたすら祈り続けました。
1958年1月19日、怜子の祈りが神に通じたかのように、都が蟻の会の要求を全面的に認め、蟻の町の「8号埋立地」への移転が決定しました。その直後、北原怜子は1月23日に28歳の若さで息を引き取りました。―カトリック東京大司教区サイトより
聖堂エントランス上のステンド
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「貧しい子供はたくさんいる。
その身近な子を独り助けたところで焼け石に水。
もっと政治や国が手助けをしないと」
かつての私はそんな風に考える人間でした。
正しいけれど、血の通わない発言ですね。
自分ができる範囲のことをしない傲慢さ。
「改革を!」と叫んでいる暇があったら、隣で震えている子を抱きしめてあげるほうが、どれほど未来のためになるでしょう。
潮見教会では「隣人を愛せ」の意味がほんのちょっぴり気づけました。
カトリック潮見教会
http://www17.ocn.ne.jp/~shiomicc/