半泊教会から森を抜けてアスファルトの道に出ると、フっと結界を出たような不思議な感覚になりました。
半泊って・・・本当に軽くあっちの世界だったんじゃないだろうか??
どんどん民家も自動車も増え、コンビニなども見え始めたところで「浦頭教会」がその白い姿を現しました。
ここは広い、高い、大きなコンクリート製の教会です。
旧約聖書のノアの箱舟をイメージして作られたそうです。
丁度昼時で、市中の教会なのに誰もいません。
天中のギラつく太陽に、運転の疲れか珍しくちょっとめまいのした私は、この教会でしばらく静かに座って休みました。
ペットボトルの水を一口飲み、目を閉じ、あごをあげて深呼吸をひとつ。
目を開けると私を見下ろす磔刑のキリスト像。
悲しみとも苦しさとも、哀しさとも憐れみともとれる、その表情。
私は心の中で問いかける。
「あなたは、この五島の島で何を見、何を感じられたのですか」
「そして、その答えはなぜ 沈黙 だったのですか」
・・・・・・。
答えはない。
しかし、思う。
答えは全て自分の中にある。
それを引き出して気付かせるのは、自分以外の人々であり、森羅万象であり、あの世の存在である、と思う。
私の答えはまだ見つかっていない。
答えを引き出し、気付かせてくれる存在に出会いたい。
その為に、また巡礼をするのだろう。
そしてその答えがわかったとき、私は何を思いどう行動するだろう。